こんにちは!ヒャダルコ関口です。
突然ですが、私は憤っています。
なぜかって?
それは・・・
「ありきたりな漫画レビューサイトが多すぎる!!」
こうなったら、以下のような漫画と本が溢れた家庭で育った私が
・父、姉、祖父にいたるまで家族全員が出版社勤務の編集者
・自宅に2個の書斎がありパンパンに漫画と本が詰まっている
・約20年間、毎日のように本と漫画が家に届く
クセの強い、いや、クセしかない漫画を厳選して、簡潔なストーリーを付けつつ皆さんにご紹介していこうではないか。
今回はそんな記事となっております。
・マンガ買うなら口コミが大事だ
・タイトルも知らないマンガなんか買わない
・よくある設定の漫画はもう読み飽きた
目次
『メロポンだし!』(著:東村 アキコ)
オススメな購読層
・20代後半~40代の男女
・原宿好き
・ギャグ好き
・感動も好きな人
作者の東村アキコさんと言えば、『海月姫』や『タラレバ娘』で有名なので、女性向けかなと思うのですが、これ、男性が読んでもマジでおもしろいんですよ・・・
『メロポンだし!』のあらすじ
舞台は現在の原宿。
冒頭に出てくる青年は、原宿のとあるアパートの屋上に住むイケメンで、老人の家の電球を替えたり、運動会の写真を撮ったりする便利屋を営んでいます。(ちなみに、店の名前は「SOSメン~原宿の便利屋さん~」です(笑))
刺激の少ない日々を送り、仕事終わりに部屋に戻ると、屋上にでっかい球体が落ちている。
『なんだこりゃああ!?』と思っていると中から出てきたのは、角の生えた子ども『メロポン』でした。
話してみると、日本の芸能人になって故郷の星の家業を継ぐことから逃れるため、はるばる地球にやってきたのだと言います。
宇宙から来たことなど信じられるはずもなく、困惑する青年。(特に青年には信じられない理由があるのだが)
だが、どうやら本当らしい・・・
生えている角も「軟骨だしコレ」と言われる始末。そして二人は謎の共同生活を送るようになります。
もうこの時点で、登場人物のクセが強くて世界観に引き込まれてしまいました。
その他にも、「黒澤明にお世話になった自称元俳優や、職歴不明の酔っぱらい、猫が好きすぎる貴婦人など、宇宙人すらかすむ程アクの強い人たちに囲まれます。
果たしてメロポンは、無事に芸能人になれるのか!?
といった話でして、自分で書いてても思うのですが、まぁカオスな物語です。
角を隠さないまま竹下通りを歩いていても原宿のファッションと捉えられたり、
社会にうま~く溶け込んでいく様子がリアル、かつメロポンが本当に面白くてかわいいです(笑)
『いつでもお天気気分』(著:羅川 真里茂)
オススメな購読層
・高校生の恋愛を思い出したい人
・アオハルな高校生活に憧れている老若男女
・仕事に疲れきったそこのあなた
羅川真里茂さんといえば、『あかちゃんと僕』や、『ましろの音』など、数々の名作があり超有名です。
実はこの漫画、全7巻なのですが、連載開始の1993年から2014年まで、22年間に渡り連載していた作品なんです!!
これだけ長期ということは、作者の想いを込めに込めた作品に違いありません。
『いつでもお天気気分』のあらすじ
「こんな高校生活を送りたかった!!!」
これが素直な私の感想です(笑)
元不良『平成の暴れ馬』として不良に恐れられていた赤馬竜次と、身長が低く元気でカワイイキャラの眉村 進之介、そして超長身で優しい、真面目キャラだけど天然な矢野 秀の3人(全員男)が海南高等学校にて出会い、周りの濃いキャラとこゆ~い学生生活を送る話です。
男子3人の絆が深まっていく様子。
高校生っぽい悩みを抱えているところ。
憧れの女の子に恋をする心情。
ああ、青春を謳歌するってこういうことなんだなぁ~・・・・・・って気持ちにさせられる漫画です!
『失踪日記』(著:吾妻 ひでお)
オススメな購読層
・お酒でお悩みの人
・社会の裏側が好きな人
タイトルの通り、作者の吾妻さんご自身がアル中で、仕事のストレスから家出をして、野外で暮らす失踪体験を漫画にしたものです(笑)
この漫画のスゴイところは、全て作者の実体験をもとに描かれているということ。
知られざるホームレス生活のすべてがノンフィクションということです。
失踪日記のあらすじ
冷静に考えて、「その描写、絶対にアカンやつ!」って思っても、絵がコミカルだからなぜかサクサク読めちゃうのが不思議です。
やってることは「アル中のホームレスの放浪生活」です。
「手が震える」「幻覚が見える」とか、表現がヤバすぎる!!
僕が初めてこの作品を読んだ時はまだ中学生だったので、笑いながらこの漫画を読んでいました。
その時は「酒ってこんなに怖いものなのか~」と漠然と思っていましたが、大人になった今でも「どのくらい飲んだらこんなにヤバい症状がでるのか」判っていません(笑)
お酒って恐ろしい・・・
章立てとしては、『夜を歩く』『街を歩く』『アル中病棟』の3本立てです。
アル中病棟編では、様々な患者が作中に出てきます。社会の裏側を見たぞ・・・ってなりました。
引用:『失踪日記』より精神病院の描写をポップに描き過ぎですよね(笑)
こんな感じで、ありえない話がポンポンでてきます。
『課長バカ一代』(著:野中 英次)
オススメな購読層
・ギャグ漫画好きな人
・サラリーマン全般
野中英次さんといえば、『魁!!クロマティ高校』でおなじみですが、この漫画はその前に連載されていたサラリーマン漫画です。
キャラ設定は二作で結構似ていて、クロマティファンなら必見の作品です!
『課長バカ一代』のあらすじ
家電メーカー「松芝電機」の社員で、「課長補佐代理心得(後に「心得」が取れて課長補佐代理に”昇進”)」というよく分からない肩書きを持つ主人公:八神和彦とその部下たちが出てくるのですが、
なんとこの作品、全く内容がありません(笑)
いかがでしょうか。とにかく、この八神がアホすぎるのであります。
真面目な顔でデタラメなこと喋りまくるので、周りで振り回されている社員たちも、何が正解なのか分からなくなってしまうんです。
というか「上司の言うことは絶対」みたいな、いわゆる日本企業の体質の中で、中間管理職がチンチクリンだったらどうなるのか。
そういった、ある種、日本の企業独特の体質をシニカルにとらえていて、めちゃくちゃ面白いです。
責任の所在とか、上司の飲み会にはいかなきゃとか、命令は絶対とか・・・
色んな場面で、「あ~こういうタイミング、経験したなぁ~」と思うこと間違いなし。
『レベルE』(著:富樫 義博)
オススメな購読層
・ハンターハンター好き
・オカルトやSF好きな人
これ、別に「知る人ぞ知る」でもなんでもない超有名な漫画なのですが、個人的には富樫さんの思うがままに描いた作品なんだろうと思い、載せました。
調べてみると、本作品はアシスタントを使わずに富樫さん一人で描き上げたとのこと。
中身を見ると、ものっすごい絵が綺麗。富樫さんってやっぱ絵うまいんだと再確認させられます。
『レベルE』のあらすじ
ストーリーは、甲子園を目指す高校球児の部屋に、ドグラ星の王子で地球に遊びに来たという男が住み着いてしまい、オカルトな事件や、他の惑星からの星人とのいざこざに巻き込まれるという話。
上のように家に帰ると突然、ドグラ星の王子が居座っています(笑)
日常の中に異常を挟み込むリアルな非日常が面白いです。
単行本で全3巻で完結とは思えないほど、内容が詰まったストーリーばかりです。
『ハンターハンター』や『幽遊白書』が良かったと思った方には富樫さん三部作全てコンプリートするべきです。
読んだら富樫さんの頭の中が少し見れるかもしれません。
『PSYCHO+』(著:藤崎 竜)
オススメな購読層
・藤崎さんの『封神演義』を読んだ人
・SF好きな人
・ゲームとか好きな人
藤崎さんといえば『封神演義』で有名ですが、SF系の漫画もよく描かれている漫画家さんなんですね(よく考えると、あれも歴史SFでした)。
この漫画は、『封神演義』がリリースされる前、2巻で打ち切りになってしまった漫画です。
封神演義でヒットして、急遽単行本化が決まったということですが、とてもクセのある漫画です。
『PSYCHO+』のあらすじ
生まれつき緑色の髪・緑色の目をした綿貫緑丸という主人公(ゲームオタクで超強い)が、ある日300円で売られている見知らぬゲームを買うところからスタートします。
そのゲームは、使用者の超能力を引き出すゲームで、現実世界とリンクしているゲームだった・・・という。
ヒロインの雪乃ちゃんがすんげー美人さんなんだけどものすごい天然で癒やされます。
読んだ方は「打ち切りにするなんてなんて無能な編集者なんだ」という私の想いを理解してくれるでしょう。各話最高です。
『レベルE』に続き、またしても日常SF系を紹介してしまいました(笑)
自分の漫画癖がバレてしまう記事ですね。
『さすがの猿飛』(著:細野 不二彦)
オススメな購読層
・『ギャラリーフェイク』が好きな人
・ほのぼの系好き
・昔ながらのちょっとエッチなギャグ漫画好きな人
『ギャラリーフェイク』で有名な細野さんですが、こんな角度のギャグコメディも描いているとは!と驚くこと間違いないです。
『さすがの猿飛』のあらすじ
主人公は猿飛 肉丸。
忍者を養成し、世の中の企業や機関に派遣する学校の生徒です。
引用:『さすがの猿飛』一巻より
低身長、超肥満、大食漢という見た目で、一般的に女性にモテる要素のない肉丸ですが、同じ学校に通う美少女、霧賀 魔子ちゃんには何故か好かれている、なんだかうらやましい奴です。
冒頭の画像にある通り、肉丸の必殺技は足底を地面に超高速で擦り付ける事で発生する強力な熱対流がミニ台風となる「神風の術」。
聞こえはカッコいいが、女生徒のスカートめくりに多用してくる、変態技です。
そんなスケベな猿飛ですが、魔子ちゃんがピンチのときは、絶対に身体を張って守るんですよ!
なんだか、男としてうらやましいというか、かっこよく見えてくるもんだから悔しいです(笑)
キャラ立ちがはっきりしているし、ストーリーもわかりやすいからサクサク楽しんで読めると思います。
『イムリ』(著:三宅 乱丈)
オススメな購読層
・SF好きな人
・文化人類学や民俗学の知識が好きな人
2009年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞を受賞しています。
『イムリ』のあらすじ
二重惑星マージとルーンを舞台に、カーマ種族・イムリ種族・イコル種族の三種族を巻き込んでゆく星間戦争をカーマ種族の少年デュルクの視点を通して描く物語です。
この漫画の構成ポイントの一つが「超能力」。
一般人や、自分より下位の超能力者を支配することが出来てしまうんです。
それによって奴隷化してしまったり、、恐ろしい世界です。
普通に暮らしていたら、気付いたら誰かの奴隷になっているかもなんて考えただけで恐いですね。
この物語を読んでいて面白かったのは、名前を呼ぶことが、侵犯術の使用条件というところです。
上位の術者が下位の術者に対してなんでも言うことを聞く状態にしているシーンですね。
これを見て、思い出しませんか?
そうです。「忌み名」です。
『地獄先生ぬ~べ~』でもそんな話がありましたが、人間には普段読まれている名前とは違う「本当の」名前があり、その名前を呼ばれながら命令されるとついつい従ってしまう、という話です。
言霊の力ですね。
自分の本当の名前を呼ばれると、言霊の力によって命令を聞くようになってしまうということです。
話が逸れましたが、イムリの物語は、カーマという支配種族の血みどろの宮廷劇と、先住民イムリの民族誌的な物語を並行して見ていく漫画です。
古代戦争の真相や、先住民による抵抗運動など、現実のどこかで聞いたことあるような話がバンバン出てくるので、妄想が膨らみます。
『ルームメイト』(著:武富 健治)
オススメな購読層
・サイコサスペンス好きな人
・今邑彩さんの小説好きな人
・『鈴木先生』を読んで好きな人
今邑彩さんによる推理小説『ルームメイト』を、かの『鈴木先生』で有名な武富健治先生が漫画化した作品です。
え!?武富先生をご存じない!?
武富先生は、独特な劇画タッチの絵で単なる日常の風景を、とんでもない事故現場にしてしまうプロです。
こちらを御覧ください。
『ルームメイト』のあらすじ
この『ルームメイト』の原作は今邑彩さんが作っています。
『警視庁捜査一課・貴島柊志シリーズ』を始め、推理小説の作家さんで有名です。
肝心の物語ですが、推理小説だけあって色々な登場人物が絡んで説明が難しいので少しだけ紹介します。
愛知県から上京して大学に通うべく、不動産めぐりをしていた萩尾春海は、良い物件を見つけられず困っていた。
そんな中、西村麗子と名乗る人物と出会い、その日に意気投合、ルームシェアを決めるところから始まります。
常識的に、初めて出会った相手とルームシェアするなど考えられないことだが、麗子の物腰の柔らかさからか、春海はついつい承諾してしまう。
しかし、ルームシェアを始めて3か月が経ったころ、麗子は人が変わったかのように、派手な格好に生活態度も変わる。
その変わりぶりに春海は戸惑う。折半の約束だった家賃も振り込まれていない。
思い返すと、池袋で起きた猟奇殺人のニュースを見ていたあの日以来、麗子と会っていなかった。
不審に思った春海は麗子の実家に電話をするも、西村麗子なる別の人物が出る。
そこで本物の西村麗子に会うべく京都に行き色んな情報を収集する。
そして東京のマンションに戻るとそこには女の死体があった・・・。これを考えた今邑さんの脳みそを見てみたいですが、
小説も漫画も面白いので是非一読ください。
『4分間のマリーゴールド』(著:キリエ)
オススメな購読層
・『死』とは何か考えたことのある人
・泣きたい人
・純愛好きな人
「あなたは、1年後に死ぬと分かったら何をしますか?」「『死』ってなんだろう?」「生きる意味って何?」と考えたことはありますか?
『4分間のマリーゴールド』のあらすじ
この漫画は救命士になった主人公の、ある特殊な能力を軸にストーリーが展開されます。
その能力とは、
手を重ねた人の「死の運命」が見える
という能力。
そして、1年後に死ぬ運命と分かったその相手は、
最愛の人であった・・・というところから始まります。
救命士という、「死」を身近で見る人間が、死という運命、そして愛と向き合う話です。
この漫画のタイトルにある「4分間」とは、
呼吸が停止してから、
心肺蘇生を行わなければ、
2分で90%
3分で75%
4分で50%
と生存率が低下していきます。
タイトルにある
「4分間」とは、生死をわかつタイムリミットなのです。
死について考えてみたい人、
泣きたい人、必読です。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
今回は、普通のおすすめサイトでは見られない、クセの強~い作品だけをピックアップしてご紹介しました。
“普通の作品”に飽きた方であれば、絶対に2つか3つ、引っかかる作品があったと思います。
気になる漫画があったら、ぜひ読んでみてください!!
あなたの人生に彩りを